それがとても可笑しくて、つい笑ってしまった。

「あっ、笑ったな。」

「だって。先生、呑気過ぎて笑えてくるんだもん。」

ちょっとお腹もよじれそうになる。


「芽依。」

「ん?」

隣にいる先生が、真剣な目で私を見つめている。

「今日、楽しかったか?」


今日一日、いろんな事があった。

先生と初めてドライブした。

海で一緒に、波を追いかけっこした。

同級生に見つかった。

人生初の告白をされた。

先生に彼女がいたって知った。

辛い思いをした。

嫉妬もした。

先生以外の男の子に付いて行った。

先生が迎えに来てくれた。


思い出せば切りがない。


「うん。楽しかった。」

それしかない。

「芽依……」

見つめあって、だんだん先生の顔が近づいてくる。

「先生……」


先生の瞳に私が写った瞬間。

先生の唇が重なる。

二人の舌が絡まって、息もできなくなる。