付き合っているのか。

その答えは、私にはわからない。

「葉山、あのな。」

「いいんです。別にみんなに言いふらしたりするような事、僕はしないんで。」

私と先生は、顔を合わせた。


「でも先生。藤沢の事、本気なんですか?」


心が掻き乱される。

どうしてこの人は、ズケズケと人の心の中に上がり込むのか。


「そんな事、葉山君には関係ないでしょ。」

少し苛立つ口調で、反論した。

「関係あるって言ったら?」

「はっ?」

「僕、藤沢の事好きなんだよ。」


突然の告白。

返す言葉がない。


「だから藤沢が先生と付き合っても、誰にも言わないよ。言ったら藤沢の人生を変えてしまう。好きな女の子を守りたいって思うのは、男として当然だろ。」

その真っ直ぐな想いが、私に届いて。

届きすぎて、頭が変になる。


話した事もないような隣のクラスの男子に、告白されるどころか、それ以上の事が起こっているのだ。