わたしは校門のそばで、ガードレールに寄りかかる。いつも碧人がしているみたいに。
持っていたスポーツドリンクをぐびぐびと飲み、「はぁーっ」と深く息をつく。
蒸し暑い空気が、肌にまとわりついて気持ち悪い。着ていたカーディガンを脱ぎ腰に巻き、シャツの袖をまくり上げたときだった。
「え、なんで?」
校門から飛びだしてきたのは碧人だった。
上着は着ていなくて、白いシャツにゆるんだネクタイ、背中にリュックを背負っている。
「なんで夏瑚がいるんだよ」
わたしはペットボトルをリュックにしまい、碧人に近づく。
「あんたやっぱり、授業サボってたんだね?」
碧人はわたしの前で顔をしかめる。
「おまえこそ」
「わたしはいいの!」
「だからその、わけわかんない理屈やめろ」
碧人がため息をつき、髪をくしゃくしゃとかきまぜる。
小さいころから変わらない、茶色くてやわらかそうな髪。
わたしはそんな碧人の髪を見つめながら、はっきりと言った。
「ねぇ、一緒に来て」
「へ?」
碧人が手を止め、わたしを見る。わたしは碧人の前で、にかっと笑う。
「つきあってほしいところがあるの」
碧人はぽかんとした顔で、わたしのことを黙って見ていた。
持っていたスポーツドリンクをぐびぐびと飲み、「はぁーっ」と深く息をつく。
蒸し暑い空気が、肌にまとわりついて気持ち悪い。着ていたカーディガンを脱ぎ腰に巻き、シャツの袖をまくり上げたときだった。
「え、なんで?」
校門から飛びだしてきたのは碧人だった。
上着は着ていなくて、白いシャツにゆるんだネクタイ、背中にリュックを背負っている。
「なんで夏瑚がいるんだよ」
わたしはペットボトルをリュックにしまい、碧人に近づく。
「あんたやっぱり、授業サボってたんだね?」
碧人はわたしの前で顔をしかめる。
「おまえこそ」
「わたしはいいの!」
「だからその、わけわかんない理屈やめろ」
碧人がため息をつき、髪をくしゃくしゃとかきまぜる。
小さいころから変わらない、茶色くてやわらかそうな髪。
わたしはそんな碧人の髪を見つめながら、はっきりと言った。
「ねぇ、一緒に来て」
「へ?」
碧人が手を止め、わたしを見る。わたしは碧人の前で、にかっと笑う。
「つきあってほしいところがあるの」
碧人はぽかんとした顔で、わたしのことを黙って見ていた。