バスは高速道路に入り、順調に進んでいた。
通路を挟んだとなりの席で、一成が芸人さんのモノマネをして騒いでいる。その横では、碧人がげらげら笑っている。
後ろからマキ先生が、『いっせー、静かに! 似てないモノマネはやめなさい』と注意して、わたしも一緒に笑ってしまった。
そのとき美冬が、突然こんなことをささやいたんだ。
『夏瑚、わたしね。今日の帰りに、言おうと思ってるの』
「へ?」
わたしはまだ、笑いが止まらないまま美冬を見た。
美冬は窓の外の流れる景色を見つめながらつぶやく。
『碧人くんに……好きだって』
背中に一成の、ふざけた声が聞こえてきた。今度は部長の瑛介くんが注意している。響ちゃんの笑い声も、後ろの席から聞こえてくる。
わたしは黙って美冬の横顔を見ていた。
ほんのりと赤く染まった美冬の頬が、すごく綺麗だなって思った。
美冬はゆっくりと首を動かし、わたしを見つめて静かに微笑んだ。
通路を挟んだとなりの席で、一成が芸人さんのモノマネをして騒いでいる。その横では、碧人がげらげら笑っている。
後ろからマキ先生が、『いっせー、静かに! 似てないモノマネはやめなさい』と注意して、わたしも一緒に笑ってしまった。
そのとき美冬が、突然こんなことをささやいたんだ。
『夏瑚、わたしね。今日の帰りに、言おうと思ってるの』
「へ?」
わたしはまだ、笑いが止まらないまま美冬を見た。
美冬は窓の外の流れる景色を見つめながらつぶやく。
『碧人くんに……好きだって』
背中に一成の、ふざけた声が聞こえてきた。今度は部長の瑛介くんが注意している。響ちゃんの笑い声も、後ろの席から聞こえてくる。
わたしは黙って美冬の横顔を見ていた。
ほんのりと赤く染まった美冬の頬が、すごく綺麗だなって思った。
美冬はゆっくりと首を動かし、わたしを見つめて静かに微笑んだ。