【いまここにいまーす。懐かしいでしょ?】

 きっとみんななら、わかってくれるよね。だって毎日一緒にいたんだもん。

【よくここでバスケやったよね。ぶちょーといっせーがフリースロー対決したりね】

 あのころのことを思い出し、くすっと声がもれる。

【真夏の練習のあと、ここで食べるソーダアイスはサイコーだったよね】

 しゅわっとさわやかな味が、口のなかによみがえる。

【またみんなとここで会いたいな】

 指が勝手にそう動いた。

【ねぇ、会いたいよ】

 だけど返事はこない。くるわけはない。
 わたしは膝を折り、その場にしゃがみこむ。

【会いたい】

 それだけ打って、うずくまる。

 会いたい。会いたい。会いたい。みんなに会いたい。
 またみんなとしゃべって、バカやって、笑いあって……真夏のグラウンドを思いっきり駆け抜けたい。

「どうして……」

 わたしの望みはそれだけなのに……

 ピコンッ。

 胸に抱きしめていたスマホから音が鳴った。
 ハッと画面を見下ろす。

【いまから行く】

 わたしの送った文字のあとに、返事がきている。

「え……」

 震えながら画面を見下ろしていたら、また通知音が響いた。

【いまからおれが会いに行く】