カーテンを開け、ベランダに出て、ミニひまわりに水をあげる。
 透明な水しぶきが、朝日にキラキラ輝いている。
 わたしの育てた黄色い花は、まだ元気に咲いていた。

「夏瑚、もう起きてたの? 早いのね」

 パジャマ姿のお母さんが、わたしに声をかける。わたしはじょうろを片付け、窓を閉めた。

「うん。ちょっと出かけてくるよ」
「こんな早くから? どこへ?」

 わたしはにこっと笑って答える。

「碧人に会いに、行ってくるね」