マンションの外廊下に出ると、となりの部屋の前で女の子が遊んでいた。
今日もクマのぬいぐるみを抱えて、小声でなにか話しかけながら、うろうろ歩いている。どうやらお友だちのクマさんと、お買い物に行くという設定らしい。
かわいいな。今日は挨拶してくれるかな?
わたしは鉢植えを抱えたまま、そっと近寄る。
「おはよう」
声をかけたら、女の子はびくっと肩を震わせて顔を上げた。でもすぐにその顔がぱあっと明るくなる。
もしかして、このひまわりを見てる?
わたしは女の子の前にしゃがみこむ。そして鉢に植えられた小さなひまわりを女の子に見せた。
「ひまわり、好き?」
女の子がこくんっとうなずく。よく見ると今日も前髪に、ひまわりのピンがついていた。
わたしは少し考えてから、女の子の腕に鉢植えを持たせる。
「じゃあこれあげる」
「えっ」
「大丈夫、うちのベランダに、まだまだいっぱいあるの。お姉ちゃん、お花屋さんみたいでしょ?」
わたしはにこっと笑顔をみせる。
「このお花ね、お姉ちゃんの大事なひとが好きだった花なんだ」
女の子はじっとわたしの声を聞いている。
「毎日お水をあげて、かわいがってくれる?」
「うん」
恥ずかしそうにうなずいた女の子の上から、声が降ってきた。
今日もクマのぬいぐるみを抱えて、小声でなにか話しかけながら、うろうろ歩いている。どうやらお友だちのクマさんと、お買い物に行くという設定らしい。
かわいいな。今日は挨拶してくれるかな?
わたしは鉢植えを抱えたまま、そっと近寄る。
「おはよう」
声をかけたら、女の子はびくっと肩を震わせて顔を上げた。でもすぐにその顔がぱあっと明るくなる。
もしかして、このひまわりを見てる?
わたしは女の子の前にしゃがみこむ。そして鉢に植えられた小さなひまわりを女の子に見せた。
「ひまわり、好き?」
女の子がこくんっとうなずく。よく見ると今日も前髪に、ひまわりのピンがついていた。
わたしは少し考えてから、女の子の腕に鉢植えを持たせる。
「じゃあこれあげる」
「えっ」
「大丈夫、うちのベランダに、まだまだいっぱいあるの。お姉ちゃん、お花屋さんみたいでしょ?」
わたしはにこっと笑顔をみせる。
「このお花ね、お姉ちゃんの大事なひとが好きだった花なんだ」
女の子はじっとわたしの声を聞いている。
「毎日お水をあげて、かわいがってくれる?」
「うん」
恥ずかしそうにうなずいた女の子の上から、声が降ってきた。