「だったらさ」
背中に篠宮さんが声をかける。
「わたしが碧人くんに告白するのは問題ないよね?」
「えっ」
思わず立ち止まってしまったら、篠宮さんがわたしの前に回り込んできた。
「わたしその友だちのこと知らないから、遠慮する筋合いないし。碧人くんと水原さんがつきあってないなら、わたしにもまだ望みはあるもんね」
篠宮さんが意地悪く笑いかけ、自転車にまたがる。
「じゃあね」
「ちょっ、ちょっと! 待ってよ!」
けれど篠宮さんはわたしに振り返ることなく、自転車を走らせ去っていった。
わたしは小さくため息をつき、青空の下を歩きだす。
べつにいい。篠宮さんが告白して、碧人とつきあうことになっても。
それはしかたがないこと。
『ねぇ、夏瑚。ほんとうの気持ちを聞かせて?』
頭のなかに美冬の声が聞こえてきて、わたしはそれを振り払うように足を速めた。
背中に篠宮さんが声をかける。
「わたしが碧人くんに告白するのは問題ないよね?」
「えっ」
思わず立ち止まってしまったら、篠宮さんがわたしの前に回り込んできた。
「わたしその友だちのこと知らないから、遠慮する筋合いないし。碧人くんと水原さんがつきあってないなら、わたしにもまだ望みはあるもんね」
篠宮さんが意地悪く笑いかけ、自転車にまたがる。
「じゃあね」
「ちょっ、ちょっと! 待ってよ!」
けれど篠宮さんはわたしに振り返ることなく、自転車を走らせ去っていった。
わたしは小さくため息をつき、青空の下を歩きだす。
べつにいい。篠宮さんが告白して、碧人とつきあうことになっても。
それはしかたがないこと。
『ねぇ、夏瑚。ほんとうの気持ちを聞かせて?』
頭のなかに美冬の声が聞こえてきて、わたしはそれを振り払うように足を速めた。