「じゃあねー、夏瑚ー」
「うん、またねー」
部活に行く友だちと別れ、わたしはひとりで校舎を出る。
まだ梅雨は明けていないのに、真夏のような空の下、わたしは校門の前で立ち止まった。
白いガードレール。ここで碧人がわたしを待っていた日を思い出す。
わたしはポケットからスマホを取りだした。碧人とのトーク画面を開き、じっと見つめたあと、なにもしないでそっと閉じる。
碧人と競技場に行った日から、一週間。わたしたちは一度も連絡を取りあっていない。
あの日、マンションの前までわたしを送ってくれた碧人とは、いつものように普通に別れた。
それからメッセージを送ろうと迷ったけど、どうしても送れなかったんだ。
『おれ、夏瑚のことが好きだ』
思い出すたびに恥ずかしくなり、だーっと走って逃げだしたくなる。
碧人はどうして、わたしのことなんか好きなんだろう。
いつからわたしのことを、そういう目で見てくれてたんだろう。
「うん、またねー」
部活に行く友だちと別れ、わたしはひとりで校舎を出る。
まだ梅雨は明けていないのに、真夏のような空の下、わたしは校門の前で立ち止まった。
白いガードレール。ここで碧人がわたしを待っていた日を思い出す。
わたしはポケットからスマホを取りだした。碧人とのトーク画面を開き、じっと見つめたあと、なにもしないでそっと閉じる。
碧人と競技場に行った日から、一週間。わたしたちは一度も連絡を取りあっていない。
あの日、マンションの前までわたしを送ってくれた碧人とは、いつものように普通に別れた。
それからメッセージを送ろうと迷ったけど、どうしても送れなかったんだ。
『おれ、夏瑚のことが好きだ』
思い出すたびに恥ずかしくなり、だーっと走って逃げだしたくなる。
碧人はどうして、わたしのことなんか好きなんだろう。
いつからわたしのことを、そういう目で見てくれてたんだろう。