ルカさんは霧のようにその姿を消してしまい、まるで最初から誰もいなかったかのように一枚の枯葉だけが地面に横たわっている。
慌てて辺りを見渡してみても、葉を落とした木々だけが、雲間をかすめる赤い景色に溶けこむように、寂しげにその姿を揺らせるばかりだ。
そして、スマホがピコンと鳴った。
『今年もあと少しで終わりだな』
蓮崎くんだった。
またとりとめのない世間話が始まるのだろうかと身構えてしまう。
予想通り、スマホがまた通知を告げた。
『緑地公園の事件の犯人、俺知ってるんだ』
――一気に血の気が引いた。