「あ、それから……」


 浅桜くんは一呼吸おいてから、はっきりと言った。


「俺は好きだからな、立華の紅い瞳」


 嬉しい気持ちが花びらのようにふわりと舞い上がる。


「あ、ありがと……。でも、気味悪くないの?」

「別に? 目が血走ってるとかだったら驚くかもしれないけど、本当に綺麗だよ。少しグレイがかった立華の髪にもよく似合ってる」


 浅桜くんがわたしの顔を覗き込む。瞳だけじゃなくて顔まで赤く染まりそうだ。


「やだ、恥ずかしいから、あんま見ないで」


 熱くなる頬を両手で覆い、つい顔を背けた。