次の日曜日にオペラ作りを教えてもらう約束をすると、わたし達は瑞花のお父さんの誕生日プレゼントを買いに街へと出掛けた。 

 プレゼントはガラスペンか万年筆で悩んだ結果、ガラスペンになった。

 瑞花のお父さんは趣味で文を書いている。パソコンで書けばいいじゃないかと言うと、それだと筆が乗らないのだとか。たまにどこかの雑誌に投稿したりもしていて、ごく稀にだが賞を獲ることもあるらしい。

 瑞花は「お父さんの書く文が好きだから」と、うれしそうにガラスペンを握りしめて、屈託のない笑顔でそう話してくれた。