「ねえ、あそこのファミレスでひと休みしようよ。動いたらお腹空いちゃった」


 瑞花がそう言いながら併設されたファミレスを指差すと、浅桜くんが「そうだ!」と声をあげた。


「それならうちの店に来ないか? ランチもやってるし結構おいしいよ」


 行っていいの? やった! と、うっかり声に出そうになるのをなんとか堪える。


「賛成! わたし、行ってみたい!」


 一番に手を挙げて応えたのは瑞花だった。


「いいな。せっかくだし行こうぜ」

「わ、わたしも行きたい!」


 遅れてわたしも声をあげる。


「よし、じゃあ案内するよ」


 うれしい! いつか行けたらいいなと思っていたのにこんなに早く実現するなんて、新年早々今年の運気を全部使ってしまったかもしれない。