「今日は蘭雅の言ってたアミューズメントパークに行くんだっけ?」
「優陽はほかに行きたいとこあるか?」
浅桜くんと皆渡くんはお互いを名前で呼び合っているらしい。男の子同士だからそれが普通なんだろうけど、いいな。わたしも浅桜くんのこと、優陽くんって呼びたい……。
「いや、俺もそのつもりで来たから大丈夫だよ」
「オッケー! そんじゃ行くか!」
皆渡くんが快活な声をあげて歩き始めると、自然に瑞花と皆渡くん、わたしと浅桜くんという並びになっていた。
普段メッセージを送り合っていたときとは比べ物にならないくらい心臓の音が響く。万が一にも聞こえないように、胸の前で両手をぎゅっと握りしめた。
「あ、でもフットサルは遠慮するよ。蘭雅はすぐに本気になるだろ? 立華の前で恥かかされるのはごめんだからな」
――え?
「多分雪で屋上使えねえって」
え、あれ? もしかして、わたしの前でってことは、わたし以外ならいいってこと? わたしに恥ずかしいところを見せたくないとか、そういう意味? 自意識過剰過ぎるかな。いや、でも……。