『お母さんともお祝いしたいから、帰ることにしたよ』


 返信すると、またすぐにスマホがピコンと受信を報せる。


『家族でクリスマスもいいな』


 二次会の最中に送ってくれてると思うと、それがまた嬉しい。

 続けてピコン。連投だ。


『もう家に着いた?』

『もうすぐ着くよ。早く帰りたいし、緑地公園抜けるか迷ってるの笑』


 迷ってることは楽しくもなんともないのにつけた『笑』という一文字。

 そうか。浅桜くんとのやりとりが嬉しくて『笑』なんだ。


『暗いから気をつけて。じゃあまた明日』 


 明日は浅桜くんと初めてふたりだけで会う約束をしている。

 思い出すと頬が熱くなってきた。早く帰って明日の準備もしなくちゃ。プレゼントだって買ったんだから。

 緩んだ頬を軽く叩くとポケットにスマホを仕舞い、わたしは緑地公園へと足を向けた。