すぐに付き合って別れる同級生達を見て、自分は違うと思っていた。好きという気持ちを、誰よりも大切にしていると思っていた。
でも、そう思い込んでいただけで、実際はただ大人ぶって背伸びしていただけなのかもしれない。
……自分の気持ちがわからない。
助けてもらったからなのかどうかわからないけれど、ルカさんに対して他の誰でもない安心感を覚えてしまう。それは確かだ。
考えれば考えるほど、中途半端な自分自身に苛立ちが募り始めた。
「……行こう、瑞花」
「え? どこに? まだお礼買ってないよ?」
「うん……もういいの」
瑞花と目を合わせないように返事をして、速足でエスカレーターに向かった。
結局わたしは、助けてもらったお礼なんて純粋な気持ちでプレゼントを選んでたんじゃなかったのかもしれない。
ただ、気になる人にわたしの気持ちを形に変えて押しつけたかっただけなのかもしれない。
それも、ずっと想い続けた人を疎かにしてまで。
そう思うといたたまれなくて、急に居心地が悪くなった。