「ルカさんってわたしらより歳上だよね? いくつか聞いた?」
「聞いたよ。推定百八十歳だって」
「は? なに言ってんの?」
「だってそう言われたんだもん」
そんな些細なことでさえはぐらかされた不満が、胸にじくじくと広がっていく。
「だとしたら意外と上なのかもね。三十近かったりして」
「それでも百八十歳とか意味分かんないよ。わたし、からかわれたのかな?」
どちらかと言えば馬鹿にされたというほうが正しいのかもしれない。でも、そうだとしてもそれを口にはしたくない。
「ほら、歳上の人ってよく『いくつに見える?』とか言うじゃん。歳の差が恥ずかしくて言いたくないのかも知れないけど、あれ言われたらうざいでしょ? だからそう言ってはぐらかしたんじゃない?」
「うーん、それなら許せなくもない……かも」
ほんとうにそうだとしたらちょっとかわいいし。ハーフのイケメンでも、そういう気恥ずかしさはあるのだろうか。