ネット媒体やSNSが普及しデジタルマーケティング化している昨今、営業よりもマーケターを重要視する企業も増えている。故に、マーケティング情報は膨大な量になった。
 それらの情報量を各部門で共有・管理できなければ、高い成果なんて見込めるはずがない。

「営業は短期間での成果が求められるので、質のいい情報以外は削りたい、そう思う気持ちはわからなくはないです」
「……」
「でも私達は、情報を武器にマーケティング戦略をしています。それを無いものにされるのは……やっぱり、少し複雑です」
「……だよな」

 水森の意見は最もだ。彼女だって高いプライドを持って、仕事と誠実に向き合っているんだ。自らの持つ情報を活かして成果に繋げて欲しいから、だから営業社員に貴重な情報を託している。その思いを適当に扱われたら、誰だっていい気分はしないだろう。

 営業とマーケは、業務内容も求められるものも全然違う。
 けれど、目指すべき目的は同じ場所にあるはずだ。


 "顧客に自社商品やサービスを伝え、成約に繋げること"


 その為に、営業とマーケは存在している。
 どちらも必須で、どちらかが欠けることはあってはならない。
 でも実際は、互いの業務を理解し合おうとしなかったから確執が生まれてしまった。