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 満開の桜が咲く四月。


 今日から瀬那は高校三年生になる。


 進級し、新しいクラスの張り紙がされている廊下では、自分達の新しいクラスを確認するために人だかりができていた。



 瀬那も自分のクラスを確認しなければならないのだが、人が多すぎて近づく気にならない。


 とりあえず少し離れたところから、人が落ち着くのを待つことにした。




 友人と一緒になれた子や離れた子。
 新しいクラスの発表に一喜一憂している学生達を他人事のようにぼんやりと眺める。



 その時、廊下の向こう側からざわめきが起きた。