*
「おい」
休み時間に僕のところにやって来た藍原。
なんか最近こんなことばかり起こってる気がするけれど。
多分三日月さん絡みだろうな、と予想する。
「なに」
「あの本もう読み終わった?」
「……あの本?」
ピンとこなくて考えていると、ほらあれだよ、と机に片手をつくと、
「この間、三日月さんと話してただろ。あの文庫本だよ!」
そう告げられて、急速に記憶が手繰り寄せられて、ああ、と思い出した。
やっぱり、藍原が僕に話しかけてくるときは、決まって三日月さん絡み、だ。
「一応読み終わったけど…」
それを不満に思いながら返事をすると、
「じゃあ今貸して」
「え、今? でも…」
「だってそれ読み終わったんだろ? だったらべつに一日くらい借りてもいーだろ」
いやそれ、全部自分の都合じゃん。
僕の意見は完全無視。聞こえないフリ。
ていうか、あのときあの場所に藍原もいたなら分かると思うけど、
「その前に、三日月さんに貸す予定なんだけど…」
おそるおそる確認すると、知ってるっつーの、と軽く笑ったあと、
「だから先に俺に貸してくれって言ってるんだよ!」
知ってるのに先に借りる。
それに何のメリットがあるんだ?
……あっ、もしかして。
「おい」
休み時間に僕のところにやって来た藍原。
なんか最近こんなことばかり起こってる気がするけれど。
多分三日月さん絡みだろうな、と予想する。
「なに」
「あの本もう読み終わった?」
「……あの本?」
ピンとこなくて考えていると、ほらあれだよ、と机に片手をつくと、
「この間、三日月さんと話してただろ。あの文庫本だよ!」
そう告げられて、急速に記憶が手繰り寄せられて、ああ、と思い出した。
やっぱり、藍原が僕に話しかけてくるときは、決まって三日月さん絡み、だ。
「一応読み終わったけど…」
それを不満に思いながら返事をすると、
「じゃあ今貸して」
「え、今? でも…」
「だってそれ読み終わったんだろ? だったらべつに一日くらい借りてもいーだろ」
いやそれ、全部自分の都合じゃん。
僕の意見は完全無視。聞こえないフリ。
ていうか、あのときあの場所に藍原もいたなら分かると思うけど、
「その前に、三日月さんに貸す予定なんだけど…」
おそるおそる確認すると、知ってるっつーの、と軽く笑ったあと、
「だから先に俺に貸してくれって言ってるんだよ!」
知ってるのに先に借りる。
それに何のメリットがあるんだ?
……あっ、もしかして。