「……またSNSにアップするつもり?」

「そうだよ!」


鼻歌混じりに撮った写真を加工したあと、ほら、と言ってズイッと僕にスマホを見せる。


「これが私のSNSなんだ〜」


僕にそれを見せられてもやったことがない僕からすれば未知の世界で、それを評価できるほど詳しいわけじゃない。
だから、へえ、と適当に相槌を打ったあと、


「そもそも何でSNSなんかするの?」


そう尋ねると、え、と一瞬固まった三日月さん。けれど、そのあとは何事もなかったかのように、んーとね、と顎に指を当てながら。


「SNSにアップしておくと、日付も表示されるし文章だって打てるから、いつ何があって、こういう思いをしたって“青春”を追いかけることができるでしょ?」

「……そういうものなの?」

「そうだよ! だからまあ、日記みたいに日々の日常をアップしてる人もいるんだよ」


SNSを日記代わりに……?
それなら普通に日記をつけた方が楽な気もするけれど。

アナログな僕は、ネット社会にはどうやらついてはいけなさそうで。


けれど、三日月さんが言う“青春”を僕は、ほんの少しだけ分かったような気がしたんだ──。