誰も僕なんかに期待してないと思っていた。
だから、全部に諦めて、自分は影の薄い存在でいようと心に誓った。
そうすれば面倒ごとにも巻き込まれずに済むからと、自分を守った。
だけど、先生は僕を見ていてくれた。
ちゃんと、僕のことを。
“助かったよ。ありがとう”
その言葉が、どれだけ嬉しかったことか。
どれだけ、心強かったことか。
きっとみんな知らない。
この世界に必要とされている人間には、僕の孤独なんて気づかない。
心に芽生えた小さな疑問。
それは、孤独が寂しいということ。
僕は、誰よりももしかしたら人との繋がりを望んでいるのかもしれない。