ソーダ味のアイスは、空のスカイブルーと同じで、淡い水色。

そこに差し込む陽の光が、アイスを照らし、少しだけ透けているように見える。


「じゃあ、これ撮るからしばらく手動かさないでね!」

「…え。もかしかして手も入れるつもり?」

「せーかいっ!」


さっきの言い合いは平行線を辿ったままで、だから僕は、手や足まで含まれるのを受け入れたわけじゃないのに。

彼女が、スマホをかざすから動かすわけにはいかなくて、


「じゃあ、撮るからね〜」


ブランコを寄せている彼女と、お互いの鎖がぶつかる音がする。


──パシャっ

シャッター音が鳴ったあと、スマホを確認して


「…うんっ! よく撮れてる!」


僕の方へと視線を向けて、弾んだ声色。


写真にばかり気を取られているみたいだけれど、これ早く食べないとかなり溶けてきてる。


「……これ食べていい?」

「うん、いいよ」


言ったあと、あ、と声をあげて、スマホから僕へと視線を向けると、


「もしかして向葵くん早く食べたかったの?」

「じゃなくて、これ溶けてきてるから…!」


慌てて答えると、ああそういうことね、とクスッと笑った。


「じゃあどーぞ」


僕の顔をまじまじと見つめながら告げられるから、これ絶対からかわれてるな、そう思って顔を逸らして一口かじった。