「それよりなんでこんなとこで待ってんの」


彼女を待たずに歩き出すと、それは、と言いながら僕の隣へと並んで、


「向葵くんに用があったからに決まってるじゃん。さっき連絡したでしょ?」


確かに連絡は来た。けれど、裏門に来てね、としか書かれていなくて。

僕が今聞いたことは、


「なんの用?」

「なにって約束したでしょ? 一緒に青春しようって。そのために話し合おうと思ってさ!」


僕なんかよりもテンションの高い彼女とは、波長も何もかも違うのに、どうして僕はここにいるんだろう、そんな疑問が湧いてならない。


「話し合うほど大ごとなわけ」

「え? だって話さないとちゃんと向葵くん協力してくれないでしょ。意味もなく他人のことに首突っ込むタイプじゃなさそうだし」


そう告げられて、まあ確かにそうだけど、と心の中で返事をする。

でも、意味もなく──、のところからは一言余計だった気もするけど。


「だからまずは、向葵くんに説明しようと思って!」


もう名前で呼ばれることに違和感がなくなってきた僕。というよりは、彼女に何を言っても聞かないからと諦めてきた方が正しいかもしれない。


そもそも彼女の言う青春って、


「……どんなことすんの?」