だけど、いつのまにかその気持ちに変化があって。

あの日、三日月さんがいなくなるって考えたらすごく怖くなった。

もう、そんな怖い思いはしたくない。


「三日月さん、僕

──きみのことが、好き…なんだ」


僕の口から溢れた想いは、きみへの恋心。


真っ直ぐぶつかった視線に、どきっと緊張した僕は、わずかに俯いて。


「ほんとに、好き…なんだ」


夏の陽の下で、こんな真っ昼間から告白をする僕は、まるでドラマの中のワンシーンでもしているかのようで。


「えっと、それで、その……」


それ以上の言葉が見つからずに、言葉に詰まっていると、ふふっ、と笑った彼女が、


「なんか、向葵くんらしいね」

「え?」

「ううん、なんでも」


首を振って、笑ったあと。


「私も」


そう言って、おもむろに僕の手にそうっと触れると、


「私も、向葵くんのことが好き」


そう告げて、僕の手をきゅっと握りしめた。


温かくて、優しくて。愛おしくてたまらなくなって。

彼女の手を引き寄せると、腕の中に閉じ込めた。

いなくなってしまわないように。僕のそばから消えてしまわないように。


「ずっと、そばにいてほしい」

「向葵くん」


か細い声で僕の名前を呼んだ三日月さん。