そしたら、だって、と口を開いた彼女は、


「男の子の手って女の私たちよりも大きいじゃん。つまり私よりもたくさん水を掬えるってことになるでしょ?」

「いや…べつに僕と三日月さんの手の大きさなんてほとんど変わらないじゃん」


そりゃあ多少は僕の手の方が大きいかもしれないけれど、そこまで身長が高くない僕は三日月さんとそこまで差がないから、手の大きさだって大したことはない。


「じゃあ、比べてみる?」


突然そんなことを言って僕へと近づいて来る三日月さんは、僕に向けて手のひらを向けてくる。


「な、なに…」

「手、合わせてみようよ」

「いや、べつにそこまでする必要ないんじゃ…」


ただの水かけっこをしていただけなのに、なんでそこまで話が飛躍するのか困惑したまま立ち尽くしていると。


「ほら早く」


さらに僕へと近づいて来るから、その反動で後ろへ下がると、海水下の砂に足をとられて「うわっ」声をあげながら、尻餅をついた僕。

当然の如く海水に浸かってしまった僕は、びしょ濡れになって。

「ぷっ……ふふふっ…」

瞬間、笑いが漏れた。


足首までしか来ていなかった海水に尻餅をつけば、当然お尻が濡れるわけであって。
ズボンはおろか、パンツまでもが生ぬるい海水によって浸水する。