隣のクラスの彼女の担任の先生から『三日月さんは、病気療養のためしばらく休む』とみんなに説明があったらしい。

それから、約一ヶ月と半月ほど過ぎた今日。


二学期の始業式があった。

学校はお昼までで、教室内はがやがやと騒がしかった。


──ピコンッ

ふいに、スマホが鳴る。


【私のこと知ってますか?】


たった一通のメッセージが僕のスマホに届いた。敬語なのが少しだけ引っかかる。

けれど僕は、いても経ってもいられなくなって慌ててかばんの紐を肩にかける。


「おい茅影、今日さー」


話しかけてくる藍原の内容全てを聞く前に、


「ごめん、パス!」


駆けると同時に返事をすると「おいっ!!」盛大に文句をついた藍原の声が、僕の後ろをついてやってくる。

けれど、僕はそんなものには目も暮れず一目散に病院に向かった。