スーパーにつくと、醤油だけを手に取ってレジへと向かおうと思ったけれど。
三日月さん、体調悪いんだったよな。思い出して、飲み物売り場へと向かうけれど、飲料水とスポーツ飲料で迷う。
「どっちがいいとかあるのかな……」
悩んだ末、結局決められず仕方なく一本ずつ手に取った。
そしてレジへ向かって会計を済ませると、僕は足早にスーパーを出る。
──ピコンッ
また、かばんの中のスマホが鳴る。
買い物追加の連絡?
面倒くさいなと思いながらスマホを取り出すと。
【心配かけてごめんね。体調は、大丈夫だよ】
三日月さんからメッセージが一通届いていた。
「よかった……」
ホッと安堵したのもつかの間。
じゃあ結局、飲料水必要ないな。
ていうか、そもそも家も分からないのにどうやって渡すつもりだったんだろう?
「僕はバカか……」
後先考えずに行動するなんて今まで一度もなかったはずなのにな。
まあ、でも三日月さんが無事ならいいや。
【そっか、よかった】
打ったあと、送信ボタンを押してスマホを閉まった。
外はうだるような暑さで、歩くたびに僕の体力を奪っていく。