「私はね、自慢じゃないけど長寿命だって言われたの!」
僕にズイッと手のひらを向けるから、
「は、何の話?」
「だからー、これ。これ見てよ」
手のひらに指をさした。多分、生命線について見ろってことなんだろうけれど。
僕は手相について全く分からないから、はあ、とだけしか返事ができずにいると「ね、これで分かった?」とまくし立てられる。
「私、まだまだ生きるつもりだから勝手に殺さないでよね!」
「……いや、べつにそういうつもりじゃないし」
そもそも僕が悪いんじゃなくて、三日月さんがややこしい言い方なんてするから勘違いするんだろっ。
ジャングルジムのてっぺんで、そんな子どもじみた言い合いをする僕たちは。
一体ここに何をしに来たのか。
忘れてしまいそうに、なったんだ──。