急にしおらしく素直になるから調子が狂う。
けれど、これはこれで可愛いな………
……可愛い?
「じゃあさ」ふいに僕のTシャツの裾が引っ張られて、え、と困惑しながら視線を下げると、
「私が流星群撮ってる間だけ、倒れないように背中合わせて支えてよ」
「………はい?」
僕が、三日月さんの背中を支えろと?
「ダメ……?」
「いやっ、ダメ…っていうか……」
この暑さと緊張のせいで、汗が滲む。止まれ止まれ、そう思っても返って汗ばんでくるから負の連鎖ったりゃありゃしない。
そんな僕と背中を合わせるなんて不快な気持ちにさせてしまうかもしれないし。
「今日結構暑いから僕汗…かいてるし…」
「だから」言葉を詰まらせていると「それだけ?」と僕に首を傾げる。
うん、と頷けば「だったら問題ないよね」とニコッと笑った。
「え、いや、聞いてた?! 僕、汗かいてるからって…」
「うん聞いてたよ。でも、それべつに問題じゃなくない? だってこれだけ暑ければ誰だって汗かくし」
「だ、だからって僕が…」
気になって嫌なのに、三日月さんはそれを気にしないと言う。
なんでだよ。ふつうなら、逆だろ。