すると、キラッとした一瞬光ったものは、スッと横へ流れた。

あれ、今のって……

瞬きをして考えていると、またキラッと光ったものがものすごいスピードで流れる。


「ねえ、三日月さん」

「……なに?」

「あれって……」


僕が空へと指をさすと、不満そうに頬を膨らませたまま視線を向ける。
その瞬間、次々とキラキラしたものが流れていく。


「──あっ、流星群!」


瞬く間に、彼女の表情は一変した。

ぱあっと光り輝いて、僕の隣で笑う。


「うわー、すごいすごい! 次から次へと流れてくるね!」


僕の方へ視線を向けてニコッと笑ったあと、また空を見上げる。

どきっ、僕の胸は小さく跳ねた。

なんだよ今の……


『好きな子とは一緒にいたいって思うし、二人きりでいたら緊張するし、でもすっげぇ幸せなわけよ。だから、そばにいてどきどきする相手が好きな子ってこと』


──瞬間、頭に浮かんだ藍原の言葉。

……え、は? なに?

なんでこんなときに思い出すんだ?


「ねぇねぇ、向葵くんも見てる?! しっかり目に焼き付けなきゃダメだよ?」

「え? …あー、うん…」


藍原の言葉が頭にこびりついて、うまく三日月さんの顔を見ることができない。

そんな僕をよそに、


「うわー、すごいっ! これ、動画にも撮っておこうかな」