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六月も終わりに近づいてきた今日この頃。
最近僕の周りでは、不可解なことばかりが起きていた。
そして今日もまた。
「なぁ、三日月さんって好きなやついないのかなー」
「さあ、どうなんだろうな」
僕の席の周りに藍原と小武がいるのだから、驚きだ。
「あー、ほんと三日月さん天使!」
なんてバカみたいに鼻の下を伸ばしている藍原の顔をチラッと見たあと、文庫本へと目線を戻す。
「一度でいいから三日月さんと付き合ってみてぇなぁ」
「じゃあ早く告白しろよ」
「ばっか! それができたら苦労しねぇよ!」
けれど、その場にいるってだけで気が散る上に、そんな大声で話をされていたら内容どころではなくなる。
はあ、ため息をついたあと、
「あのさぁ、なんでここにいるの」
文庫本から目を離して二人を見ると、なんでって、と壁に背もたれていた藍原が、
「お前が一人じゃ寂しいだろうから相手してやろうと思って」
上から目線でモノを言うから、そのまま無視をして文庫本を読もうと目線を下げると、おいっ、と小武が藍原に小突いて。
「嘘ついてんなよ。さっき、茅影のとこ行こうって言ったのは、おまえだろーが」
と、笑いながら言うから、え、と困惑した僕は、また顔を見上げる。