「じゃあ今日から友達ってことでよろしくな」
「……う、うん」
まさか僕に友達ができるなんて……。
少し物思いに浸っていると、待て待て待て、と割って入る藍原が、
「小武、おまえ正気かよ」
「当たり前だろ」
「だったらなんでこいつと…」
チラッと僕を見て口ごもる。
きっと今、こいつと友達になったんだよ、って言いかけたに違いない。
「だって茅影と友達と友達になりたいって思ったんだし」
照れる素振りも見せずに素直な言葉を言う小武に、なぜか僕の方が恥ずかしくなって目を逸らしていると、つーか、と言いかけて、
「おまえだってなんかよく分かんねぇけど気になるって言ってただろ」
笑いながら告げる小武に「はぁ?」慌てながら詰め寄った藍原。
「んなこと言ってねーし!」
顔を真っ赤に赤面させていた。
よく分かんないけど、僕の関係のないことを話していることだけは理解できて、
「……あのさ、何の話してるの?」
おずおずと尋ねると、藍原が突然僕の方へ視線を向けた。
「いやっ、なんでもねぇ!」
慌てたように告げたあと「な? だよな?!」と小武に言葉をまくし立てた。
「…まあ、そういうことにしてやるよ」
焦る藍原をよそに冷静な小武は、笑みを浮かべていた。
よく分からないけれど、何かを隠されたことだけはよく分かった。