「そうそう。俺が冗談言ってるのにこいつ全然興味なさそうな顔して聞いてるんだよ。しかもそれ問いただしたら、聞いてなかった、って言うもんだからさ」
ほんの数分前の出来事を小武に説明される。
へえ、そうなんだ。と小武が僕を見てクスッと笑う。
ていうか、さっきの冗談だったのか。あまりにもマジな顔して言うから本気で、三日月さんが自分に気がある、なんて勘違いしてるのかと思ったし。
「確かに、茅影はそういうの興味なさそうだよな」
「……うん全く」
誰が好きとか誰が気になってるとか、誰に気があるとか、そんなのどうでもいい。
生きてく上で僕には、必要ない。
「おまえそういうところがよくないんだぞ!」
「え?」
そういうところってどういうところだよ、と思いながら、見上げると、
「嘘でもそこは、興味あるって言えよ。そしたら俺だってまだ話そうかなって思うんだからな!?」
なんて告げられる。
嘘でも言えだなんて、ほんと勘弁。
だってほんとに僕は、そんなものには、興味ない。
だから、
「興味ないのに嘘つくのできないから」
素直な気持ちを落とすと、ふはっ、と口元を抑えて笑った小武。
僕の答えが気に入らなかったのか、おまえ、と顔を真っ赤にして怒りをあらわにする。