「ずっと、待っていました。清一様がこの場所で約束してくれたから。桜の咲く頃に迎えに来ると、手紙をくれたから」 ずっと待っていた。貴方の言葉だけを信じて。 「ありがとう。待っていてくれて……これからはずっと、おれのそばにいてくれる?」 泣きそうに顔を歪めながら頷いたわたしの肩を清一様が優しくそっと引き寄せた。 数年ぶりに感じる彼の温もりに、募らせた想いが込み上げて目尻から溢れる。 抱き合うわたしたちを包み込むように、風に散る枝垂れ桜の花弁が舞った。