気がつくと翌日になっていた。そのまま寝てしまったようだ。
 時計の針は正午を指している。大遅刻だ!
 慌てて起き上がるが、今日が休日だったことを思い出す。

 同時に昨日のことも思い出し、心が沈む。
 今ごろ、壁の向こうでは二人仲良く寝てるのだろう。

 ああ、なるほど。週末だから女を連れ込んでたのか。納得だ。
 壁ドンしてやろうか。三三七拍子で。

 私が太鼓のバチを買ってくることを本気で考えていると、視界の隅に人影が映った。

 そこには、白い服を身に付けた少女がいた。
 床に体育座りをして、私の方にじっと視線を向けている。

 中学生くらいに見える。パッチリした目と、プルプルした唇が可愛らしい。眉の上で切り揃えられた黒い髪は艶を放っていた。

「おはようございます」
 少女はそう言って、ニコっと笑った。