「な、なるほど……『悪魔の声』の力か。
面白い……しかし二度は、効かない。
 その力は、まだ不十分のはずだ。
それぐらいの力なんて……私の能力なら敵ではない」

 クラマって人は、体勢を整えてきた。
緩みかかったしっぽは、まだ絡み強く握りしめてきた。
 く、苦しいし……それに痛い。

「た、助けて……」

「か、カレン!?」

 私は、泣きながら苦しんだ。
それを見てシン達は、慌てていた。
 しかし圧倒的な力に何も出来ないでいた。

「悪魔の声を持つとは、実に厄介なものだな。
まずは、お前から始末するとするか。
 キョウとの決着は、その後でも十分に出来る」

 クラマって人は、数本のしっぽの先を尖らせた。
そしてキラ君目掛けて突っ込んできた。
 あ、危ない!!

 咄嗟に避けるキラ君とルイ達。
しっぽは、ギリギリだったが勢いよく地面を砕き、突き刺さった。
 あのまま刺されていたら一発で即死だっただろう。

 するとしっぽは、引っこ抜くと、うねりだす。
またキラ君を狙っていた。

「惜しい……はずしたか。まぁ……いい。
次は、確実に狙うまでだ」

 そう言ったキラ君に狙いを定めた。
このままだと……キラ君が危ない!!
だがクラマって人は、容赦なくキラ君を狙った。

「だ、ダメー!!」

 私は、泣きながら叫んだ。
すると、その時だった。私の身体が強く反応して光り出した。
 そうしたらしっぽの動きが止まった。
クラマって人の反応もだ。

「な、何だこれは……力が抜けていく!?」

 えっ……?
私の身体は、まだ反応してキラキラと輝いていた。
 わ、私……どうしちゃったの?
捕まっていたしっぽも緩まり落とされそうになったが、羽根を出して飛んだ。