「九尾……?九尾って……確か遥か昔にキョウ様が封印したって書物に書いてあったぞ!?
なんて今さら……?」
驚くシンに対してクラマって人は、得意気そうに笑う。
そして私の身体を巻いたしっぽを自分の近くまで連れて行く。
「実に愉快だねぇ……これが君のお気に入りだなんて。
さぁ、どうする?
私に跪けば、この子を助けてやらんこともないぞ?
それとも目の前で殺そうか?」
「……殺れるものならやってみるがいい」
「はぁっ?」
えっ……?
キョウ様は、扇子を口元に広げたまま平然とした表情をしていた。
「誰に聞いたが知らぬが。
この者は、私の娘として転生させて、確かに気に入っていたが、それまでの話じゃ。
そなたが、どうこうしたところで私は、痛くも痒くもない」
そ、そんな……!?
キョウ様の言葉にショックを浮ける。
「そ、それは、あんまりです。
カレンが可哀想です。どうか……ご慈悲を……」
ルイもそれに関して反論する。
しかしキョウ様の表情は、変わらない。
「あの者が殺すと言うてるのであろう?
それなら仕方がないことじゃ。
なに死んでもまた、生き返らせば良い。
転生とは、そういうものじゃ」
冷淡に話すキョウ様に私の頭は、真っ白になった。
まさか、こんな形で見捨てられるなんて……。
するとその言葉にキラ君の様子が変わる。
赤いオーラが見ているかのように殺気で満ち溢れていた。
『何がまた生き返らせるか……だ?
カレンは、モノじゃねぇ!!
そいつを離しやがれ……糞が!』
その瞬間だった。
クラマって人が、ガクッと力を抜けたかのように膝を地面につけた。
すると私の巻いているしっぽが緩まった。
それを見てキョウ様は、クスッと笑った。