「き、キラ君!?」
「キョウに言っておけ。獣族の宮殿で待つとな。
フフッ……楽しみだよ。久しぶりに会うのが」
「は、離せ……」
倒れているキラ君の名を呼ぶが、そのまま見えなくなってしまった。
周りは、真っ暗になってしまう。
次に目を覚ました時は、何処かの宮殿の中だった。
ここは……何処?
すると周りは、死体だらけだった。
「ヒィィッ……」と思わず変な声が出てしまった。
血を流して倒れているではないか。
この人達……獣族の人?
しかも服装からして……皇族?
「おや?目を覚ましたようだね?お嬢ちゃん」
ビクッと肩を震わせながら前を見るとあのクラマって人だった。
さっきまでの服と違い黒い服を着ていた。
特徴的な獣の耳と九本の長いしっぽをなびかせながら。
右手には、王冠をつけた中年男性の遺体を掴んでいた。
「ここは、何処?あなたは、私をどうしたいの?」
私は、必死に質問をした。
身体は、ガタガタと小刻みに震えながら……。
「ここは、獣族の本拠地。そしてコイツが、ここの皇帝であり……獣族の今の長だ!」
そう言うと玉座の前にある階段から突き落とした。
ゴロゴロと転がりそのまま下で倒れてしまった。
ひぃぃっ……!?
あれ……?あの人……少しキラ君に似ていたような?
フッとキラ君の事を思い出した。
獣族の皇帝って……じゃあ、この人がキラ君のお父さんなの!?
恐怖なのに、自分でも驚くほど冷静に分析をしてしまった。
じゃあ、この人は……キラ君のお父さんを殺しちゃったって言うの?