「どういうことだ!?何故獣族が」
「そのままさ。遥か昔……地球がまだ草原だった時代に、キョウは、生命体に知恵の実を与えた。
その生命体は、知識を得て形を変え、のちに獣族や人間になった。
そして最初の生命体がこの私だ!」
私とキラ君は、その言葉に衝撃を浮けた。
キョウ様が、私達を創った……?
知恵の実を与えられていたから今の私達が居るのだと聞かされて驚いた。
そ、それに……最初の生命体って!?
「キョウは、妖精族の長であり『神』だ。
そして私は、その力を一番濃く受け継がれている。
その証拠に私の能力も『不老長寿』だ。
彼と同じで死ぬこともない……」
「不老長寿……!?」
「我々は、兄弟みたいに過ごしていた。
そのはずだった……しかしキョウは、人工をさらに増やし、新しいモノや面白いモノを好んだ。
見守ることで楽しんでいた。
だが俺は、違う。例え少なくても自分のモノにしたい。
その力やもっと……独り占めしたい。
キョウの力も欲しいモノも。だが、そのせいで亀裂を生んだ。
争い……私は、封印された」
その言葉は、恨みにも隠っているように感じた。
キョウ様とこの人には、そんなことが?
しかし何故今頃になって封印が解けて、私達の前に現れのだろうか?
「だからと言って、何で俺達の前に現れた!?」
「君らの事を聞いたからだよ。
君らは、キョウから転生させてもらったんだろう?
しかもお気に入りらしいし……。
なら力付くで手に入れたいと思うのは、同然だろう?
本当は、警戒されないように近付いて奪いたかったけど、正体を知られたのなら仕方がない」
キラ君の言葉にフフッ……と笑うと本来の姿に変化していく。
黒い獣の耳に長くて九本のしっぽがあった。
九本って……九尾のキツネ!?
なんと、クラマって人は、九尾のキツネだったのだ。
すると一本のしっぽは、私の身体に巻き付いてきた。
「キャアアッ!?」
思わず悲鳴をあげた。
キラ君は、慌ててしっぽに飛びかかろうとする。
しかし別のしっぽで弾き返されてしまった。
ドンッと木に叩きつけられて倒れてしまう。