それから新年が終わり春の季節になった。
4月私とキラ君は、2年生に。
 昔は、2年後事に行われてクラス替えだが、最近では1年事にやるらしい。

 私とキラ君は、また同じ1組クラスになった。
しかも担任の先生は、今年赴任してきたらしい。
 私は、ワクワクしながら先生が来るのを待った。
仲良しの一華ちゃんも一緒だから嬉しい。

 ガラッとクラスに入ってきた担任の先生にクラスの生徒は、ざわついた。
 入ってきた先生に驚かされた。
長い黒髪で赤い目をした凄い美形の先生なのだが。
 赤い……目?
それにあの雰囲気……誰かに似ている。

  あっ……そうだ。キョウ様に似ているような気がする。
 いや。キョウ様の方が美しいのだが、雰囲気が何となく似ている気がする。
 あの端正な顔立ちとか、吸い込まれそうな鋭い目をしていた。
 するとキラ君が立ち上がった。

「お前は……誰だ!?」

「私か……?私の名は、クラマだ。
今日から、この1組の担任をやることになった。よろしく」

 キラ君の言葉に驚く。
あの人……獣族の人なの!?
 確かに赤い目は、獣族の証だけど。
でもキラ君も知らない様子だった。じゃあ誰?
 しかしクラマっていう先生は、クスクスと不敵な笑みを溢していた。
 
 その後。早めに授業が終わったのだが、私とキラ君は、慌てて鞍馬っていう先生を捜した。
 正体を聞くために。

「アイツ……絶対獣族の奴だ!
でも、あんな奴……一度も見たことがない」

「えっ?獣族の皇子であるキラ君が!?
離れたところに住んでいたのかな?」

「……分からない。だが明らかに他の奴らと違う。
すげぇ化け物のような臭いがした。
俺の鼻は、獣族の頃と同様に臭いが効く」

 化け物の臭い……!?

「それに雰囲気がキョウ様に似ている。
どういうことだ?これは……」

 するもニワトリ小屋で見つけた。
何やら小屋の外からニワトリを見ている様子だった。
 そうしたらクラマって人は、こちらに気づき振り返ってきた。

「おや?君達は……どうしたんだい?
早く下校しないといけないよ」