「そう肩苦しくする必要はない。
今年は、新たな年になると予言しよう。
そのためにも皆の衆が清らかな心を持ち、新たな進歩を励むことを期待しておるぞ」
「はい」
「では、そのための祝杯じゃ。
今日は、存分に楽しみ、食べると良い。乾杯じゃ」
キョウ様のお許しが出て、初めて食事が出来る。
他の正妖精達が食事とお酒を運んできた。
そして初めて新年会が行われた。
私達も緊張しながら食べていると精霊四大臣の1人、イル様が口を開いた。
「それよりもキョウ様。今回は、どうして
正妖精でもない、転生者達をこの新年会に呼んだのですか?
彼女らは、正妖精でもない子供ですが?」
イル様の言葉にビクッと肩を震わせた。
あぁ、やっぱり気にしてツッコまれた……。
怖いからその事には、ツッコんでほしくなかったのに。
するとキョウ様は、盃に入ったお酒を口につけながらクスッと笑った。
「その子らは、未来のある子じゃ。
そして能力が強い。この中でも特にな」
「それは、どういう意味で!?」
キョウ様の言葉に周りは、ざわつく。
えっ?私まだ能力もろくに引き出せてないのに!?
そんな期待されるようなことを言われても困ってしまった。
するとアルフレット様が……。
「そういえば男の幼子は、獣族の末裔だったな。
能力も”悪魔の声“だと聞いているが……?」
ギロッと睨み付けながらそう言ってきた。
その言葉にビクッと肩を震わせた。
するとイルは、立ち上がり手から弓を出した。
「獣族などいらぬ。しかも悪魔の声など不吉だ!
消してしまえばいいだろう!? 何なら俺の能力で……」
「やめろイル。こんなところで……キョウ様の御前だぞ!?」
イル様の態度に怒るキルア様だったがイル様は、怒りを収まらないようだった。