「フフッ……怖がることはない。
私は、そなた達の事を歓迎しているからのう。
 顔をよく見せておくれ」

「は、はい」

 さらに心臓がドキドキと高鳴ってしまった。
どうやら怖い人かと思ったら、私達に好意的だった。
 それよりも想像と違って厳格そうでもなく、優しそうだ。
 シンが頭が上がらないみたいだったから、
てっきりそうだと思っていた。
 キョウ様の次にご高齢だし……。

 他の精霊四大臣の人のことは、ジジィと呼んだり、いい印象には言っていなかった。
だから余計に怖い印象しかなかった。

 そういえばシンは、度々呼び出すから、それに対しては文句を言っていたが。
 大司教様のことは、悪く言ってこないわね。
それは、尊敬もあったからだろうか?
すると大司教様は、チラッとシンを見た。

「シン。そなたが参加するとは、珍しいのう。
 いつものように不参加するものだと思っていたが……?」

「別に……出来たら帰りたいけど今日は、
コイツらを連れているからな。
 だからめんどくさいけど、仕方がなく来ただけッスよ」

「そうか。しっかり面倒を見ているようで安心したぞ。
 昔は、イタズラばかりで困らされてばかりだったからのう。
怪我もするから、よく私のところにも来たものだ」

「ちょ……コイツらの前で言わないで下さいよ!?」

 大司教様の言葉に慌てるシンだった。
怪我をしたら……?
 どうして怪我をしたらなのかしら?
私は、不思議そうに首を傾げるとルイが……。

「大司教様は、治癒の能力を持っているからですよ。
その力で妖精達の怪我を治したりもします。
 そのために子供頃からシンは、お世話になっていたようですよ」

「治療!?すごーい」

 大司教様の能力に驚いてしまった。
あぁ、だからシンは、頭が上がらないのかと納得する。
 それは、お世話になりっぱなしだったのだろう。

 しかし治療能力とは、凄い。
だから精霊四大臣として選ばれたのだろうか。
 なるほど……と納得していると、後ろから声が聞こえてきた。