そして新年の日を迎える。
妖精界にも新しい年を迎えることが出来て何よりだ。
 この日のために三つ子が張り切って着物を作ってくれた。

 新年会に相応しい格好をした方がいいと言われ。
綺麗な薄いピンクの牡丹柄だ。
 しかし帯を締めているとキツイ……。
キラ君は、袴姿だった。似合ーう!!
 和服が似合う。黒髪の時だったらさらに似合っていただろうなと思った。

「では、支度が出来たのなら参りましょうか」

 うぅっ……ドキドキする。
私達は、緊張した面持ちで本家に向かった。
 本家のところに行くと1人の年配の男性と遭遇する。
変わった服と帽子を被っていて杖を持っていた。
 白い髪と長い髭が特徴的だ。
誰かしら?と見ていると……。
「大司教様」とシンがそう言ってきた。

 えっ?じゃあ……この方が大司教様!?
シンの話によく出てきて精霊四大臣の1人。

「おや?シン……それにルイ」

「大司教様。明けましておめでと~」

「明けましておめでとうございます。大司教様」

 ルイとシンが頭を下げた。
私も慌てて頭を下げるがキラ君は、警戒してルイの後ろに隠れてしまった。
 すると大司教様は、ニコッと微笑んでくれた。
優しそうで高貴なお爺様と言った印象だった。

「フフッ……明けましておめでとう。
おや?君達かな? 転生した子達は……」

 わぁ……気づかれちゃった!?

「は、はい。カレンと申します」

 私は、慌てて挨拶をして頭を下げた。
どうしよう……話しかけられちゃった。
 心臓が、さらにドキドキと高鳴ってしまう。