今だと私やシンには、あの態度だがルイには、凄く懐いていた。
それも、そのはずだ。
 ルイは、平等に接してくれて、何より優しい。
お父さん……いや、最近お母さんのようにあたたかく包み込んでくれる。

 シンも何やかんやと言いながらも仲良くやっているし
キラ君が我が家と上手くやってくれてるのが嬉しい。
 前は、獣族だからと壁を作っていたから
少しでも、その壁が取り除けたと思うと良かった……。

 私は、諦めてドーナツを食べる。
固めに作ってあり、チョコや粉砂糖が、かかっていて甘くて美味しかった。
 その間ルイは、キラ君にミルクをあげながらテーブルに置いてあるプリントを見ていた。

「もうすぐ夏休みなんですね」

「うん。夏休みは、たくさんやりたいことがあるの。
えっとね……花火でしょ?あと遊園地に行きたい」

「ゆーえんちですか?」

 不思議そうな顔をするルイだった。
そう……遊園地。実は、この姿ではまだ行っていないし
 前世でも片手ぐらいしか行けてない。
一時退院で両親に連れて行ってもらった……。

 お父さんに「また退院したら行こう」と言ってくれたけど……結局叶わなかった。
 思い出深く、元気な今だからこそ行けたらと思っていた。

「……そうですね。私は、行ったことがありませんけど
 楽しそうな場所なら行ってみたいですね。
しかしキラは、キョウ様の許可が無いと難しいので、今度頼んでみましょう」と言ってくれた。

 あ、そうか……。
キラ君は、まだ赤ちゃんだし準妖精だ。
 準妖精は、結界の外には出られないから、キョウ様に許可を貰わないといけない。
 キラ君とも一緒に行きたいから私も一生懸命お願いしてみよう。

「私も頼んでみる。シンも一緒に行こうね?」

「はぁっ?俺はいいわ……遊園地とかめんどくさい。
 おふくろが好きで、散々行かされたけど
振り回されるだけで疲れるし……」

「え~シンも行こーよ!!」