「キラ君は、今年のクリスマスプレゼントは、何を貰う予定?」

 私は、飾りつけをしながらキラ君に尋ねた。
するとキラ君は、暗い表情をしてきた。

「……別に。欲しいものなんてない。
そもそも俺ん家。クリスマスとか無縁だったし」

「えっ……そうだったの!?」

 意外な言葉を返されてハッとする。
そういえばキラ君の家族は、放任主義なんだっけ?
 お兄さん達ともアレだったし……。
パーティーとか、お祝い事とかして来なかったのかな?

「パーティーとかは、あったけど
親は、自分の目的で主催していただけだし。
 俺は、そういうのに興味無かったから、まったく参加したことがない……」

 そうなんだ……。
獣族の内部の情報を聞いて複雑な気持ちになる。
 キラ君は、クリスマスとかは、1人で過ごしてきたんだ……?

「じゃあ今年は、いっぱいお祝いしようね?
パーティーして、たくさん楽しむの」

 それだったら今年は、楽しいクリスマスにしたい。
キラ君が、楽しんでもらえるような……。

「別にいいって……興味ないし」

「キラ君は、興味がなくても私は、あるの!
クリスマスなんだもん。絶対盛り上がりたいじゃない」

 フッと前世の記憶を思い出した。
昔は、病院でクリスマスを迎えていた。
 病院内でもツリーとか飾られ、ささやかなパーティーをした。
 両親もプレゼントを持ってきてくれた。

 だから寂しかったけど、嬉しかった。
キラ君にとっていい思い出になるようにしようと決めた。
 まず、どうしたら思い出に残るかな?と考えた。