「それでもいいよ。ありがと~うキラ君」

「……別に」

 私は、目一杯の笑顔で言うとキラ君は、照れているのか恥ずかしそうに目線を逸らしていた。
 頬は、赤く染まっていた。

 そして早速泳ぎを教えてもらうことに。
私もワンピースを脱ぐ。
 長めのインナーとパンツ姿になる。
キラ君は、ちょっと困った表情になるが、教えてもらいたい私は、気にしない。
 手を持ってもらいバシャッバシャッと足を動かした。

「もっと身体を浮かせろ。
頭ばかり上げているから腰が沈むんだ!」

「そ、そんなこと言われても……」

 しかし、意外とスパルタだ!
危なくなったら抱えてくれるけど、難しい。
 それにちょっと水の恐怖もあるせいか、なかなか思ったように進まない。

「目を閉じるな。怖くないから目を開けろ」

「は、はい……」

 キラ君の方が怖いです……。
そんな風に思いながらも必死に練習した。
 結局始めたばかりで、あまり上手くならなかったが
気づいたら夕方になっていて、周りが暗くなり始めていた。

 あ、いつの間に!?
早く帰らないとルイに怒られちゃう。
 私とキラ君は、慌てて服を着ると自宅に帰った。
髪も身体もベタベタのままだったが……。
 だが、やっぱり帰ってすぐにルイに叱られた。

「帰りが遅いから心配していたら、何でこんなに濡らして帰ってきたんですか?
 まったく。風邪でもひいたら大変じゃないですか。
それに子供だけで湖に入るなんて、もし溺れたり何か遭ったらどうする気だったんですか?」

 ガミガミと叱られて私とキラ君は、子犬のようにしゅんと落ち込んでしまう。
 ちょっと寄り道をするはずが、遅くなってしまい怒られるなんて……。

「ハァッ……とにかく。このままだと風邪ひいてしまいます。
 お説教は、これぐらいにしてお風呂に入ってきて下さい。
 シン。この子達をお風呂に入れてあげて下さい。
私は、着替えを持って行きますので」

「へいへい……」