「ねぇねぇ、帰りに湖に寄って行こうよ?」

「そのまま帰らなくてもいいのかよ?」

「少しぐらいならいいんじゃない?
せっかくここまで来たし。キラ君も行きたくない?」

 私がそう言うとう~んと考え込むキラ君だった。
キラ君は、泳ぐのが好きなようだ。
 泳げるよ?と言うと承諾してくれた。

 湖は、シンシアさんのお店から近い距離にある。
時間が経って姿は、大きくなるがそのまま向かった。
 妖精界の湖は、キョウ様の結界内にあるから
いつも温度が保たれていて10月でも冷たくなく入れる。
 なによりとても透き通るように綺麗だった。
キラ君は、上着を脱ぐとそのまま湖に飛び込んだ。
 そしてスイスイと泳ぎだした。

 何回か湖に来たが赤ちゃんの頃は、犬かきだった。
しかし今は、綺麗なクロールだった。
 ちゃんと泳げるんだ……しかも速い。
それにとても綺麗な泳ぎ方だ。凄い……。

「キラ君。泳ぎ方上手~」

 私は、キャッキャッと喜んだ。
すると泳ぐのを止めたキラ君は、こちらを見てきた。

「カレン。お前も泳がねぇーの?」

「私は、泳げないもん。まだビート板だし」

 前世も心臓が弱くて泳がせてもらえなかった。
そのため、まともに泳ぐことも出来ない。
 学校では、初心者としてビート板で練習をしていた。
私も泳げたらいいのに……。
 そんな風に思っているとキラ君がため息を吐いてきた。

「仕方がねぇーな。教えてやるよ!
泳ぎ方ぐらい……」

「えっ?キラ君が教えてくれるの!?」

「言っておくが、仕方がなくだからな?
溺れられたら困るし……」