学校にキラ君が居る。
元の日常に居るみたいで嬉しくなる。
キラ君は、相変わらずぶっきらぼうな態度だった。
「……よろしく」とだけ挨拶をする。
そして後ろの窓際の席に座る。
あそこは、キラ君の居た席だ。
窓際が好きなキラ君のお気に入りの場所でもある。
そして普通に授業が行われた。
チラッと後ろを見るとやっぱり窓の方を見ていた。
もう……また見ている。
でも、自然と笑みがこぼれた。
一時間目が終わると少しの休憩に他の男の子や
女の子がキラ君に話しかけていた。
カッコいいから気になるのも仕方がない。
しかしキラ君は、迷惑そうな表情をしていた。
おっと……キラ君。返事、返事!!
ちゃんと挨拶しないとダメだよ!
転校する前に以前の学校の様子を聞いたルイが、キラ君にきちんと挨拶をするようにと言われた。
挨拶は、基本中の基本。
ルイにしっかりと注意をされていたけど……。
私は、ハラハラとしながら見ていた。
するとキラ君は、私に気づいた。
そしてハァッとため息を吐くと……。
「あぁ、よろしく……」とだけ答えた。
転生前と比べられないほどの進歩だ。
前は「うるせぇ」と一喝してしまい周りを怖がらせてしまった。
学校生活を上手くやるためにも周りの子達と仲良くやってほしいと思っていた。
私は、ホッと胸を撫で下ろした。
クラスの子達もニコニコしながら受け入れてくれた。
まぁ、キラ君は、複雑そうだったが……。
すると友人の一華ちゃんも
「カレンちゃんのイトコなんだよね?カッコいいね」と言っていた。
そうでしょ?と自慢したくなったけど、グッと我慢する。
私が自慢するのも変だと思ったからだ。
それよりも、もっと皆と仲良くやってほしい。
もちろん私ともだけど……。
よし。なら昼休みに遊びに誘うと決心する。
そして、授業を終わらせて給食を食べた後。
昼休みにキラ君のところに行く。
「キラ君。一緒にドッチボールしよう」と誘った。
「はぁっ?俺は、やらねぇーよ」
「えーいいじゃない。一緒にやろうよ?
私ドッチボール強いんだよ。キラ君は、弱いの?」
「はぁっ?弱くねぇーし」