シンにお金を払ってもらいお店から出た。
魔法で荷物を消すと手を繋ぎながら自宅に帰る。
私は、アイスを食べながらだが。
しかし真夏だから暑い。
夕方になってきたから少し涼しくなっていても、また汗が出てきてしまうほどだ。
しばらく歩くとキョウ様が所有する山が見えてきた。
この山道の奥に妖精界との繋がる境界線がある。
結界が張ってあるから人間には見つからないのだが、山奥のため結構登らないといけない。
「シン。疲れた……抱っこして」
「まだ登って5分も経ってないぞ。まったく……」
シンは、何やかんやと言いながらも、抱っこしてくれる。
前世に比べて元気で、子供だから体力はあるが
さすがに真夏の山道はキツい……。
アイスが食べ終わり、少し休憩しながら登ると結界がある出入り口が見えてきた。
そしてシンは、私を抱っこしたまま結界の中を通り抜けた。
ここで他者の種族が入ろうとすれば結界が反応して弾き返す仕組みだ。
もちろん私とシンは、すんなり通り抜けられた。
そのまま自宅に帰った。
「ただいま~」
私は、元気よく言うとルイが出てきた。
こちらもシンと少し違った感じのイケメンだ。
白銀の長い髪を1つにまとめており、銀色の目。
顔立ちも鼻筋が通って優しげな雰囲気。
着物を着ているが、よく似合っていた。
「お帰りなさい。外は、暑かったでしょう?」
「もう暑くてヘトヘト……ねぇ、それよりもキラ君は?
何処……部屋に居るの?」
「居間でお昼寝をしていますよ。
行く前に手洗いとうがいをしてくださいね?
ランドセルも部屋に置いてプリントも忘れずに出して下さいよ?」
「はーい」
私は、返事をそこそこに靴を脱いで揃えると急いで
手洗いとうがいをして部屋に向かった。
自分の部屋に入ると勉強机にランドセルを置いて、慌ててプリントを出して居間に向かう。
バタバタと小走りで居間に入ると……あ、居た~!!
小さなベビー布団で眠っているキラ君を見つける。
静かに近付くとテーブルにプリントを置く。
そして近くで覗き込む。
するとパチッと起きたらしく目を開けた。
あ、起きちゃった……。
目を開けて嬉しいが、もう少し寝顔を見たかった。
キラ君は、左右目の色が違うオッドアイの瞳で私を見てきた。
しかし……可愛い。